飛べ、我が思いよ、金色の翼に乗って

 イタリア・オペラというと、ヴェルディとプッチーニが双璧。もちろん、ロッシーニをそれに加える人もいるのでしょうけど、上演されたり録音された数、ある意味でそれは人気の指標でもあると考えられ、圧倒的にこの2人のほうが、ロッシーニを上回ります。

 日本ではどうもヴェルディよりもプッチーニの人気が高いように思います。
 舞台が長崎に設定された「マダム・バタフライ」があり、その中のアリア「ある晴れた日に」がとりわけ有名だったり、日本のフィギュア・スケートの選手が優勝した際のテーマ曲に使われたのもプッチーニのアリアでしたし。

 アリアはプッチーニかもしれませんが、合唱曲になると断然ヴェルディの良さが光ってくる、胸に沁みてくる曲が多いと私は思います。もちろん、これは私だけの感覚かもしれませんが。
 
 で、このイタリア・オペラ、特にヴェルディといえば、(アリーナ・デ・ヴェローナという選択もあるのでしょうけど)、私自身は、ミラノ・スカラ座で見聞きしたい、と思ったりします。

 もうかなり昔のことですけど、ムーティ総指揮による来日(引越し)公演に行きました。この引越し公演というのは、そのオペラの舞台に関わる人々をごっそり連れてやってくる、大所帯での公演です。
 会場だけがスカラ座ではなくて、日本の会場ですから、その部分が少し違うわけですけど、イタリアまで行かずとも、かなり通常のスカラ座公演に近い形で見聞きできることになります。

 この引越し公演なる舞台、それ以前にもシノーポリ総指揮によるウィーン国立歌劇場、レヴァイン総指揮によるNYメトロポリタン・オペラにも行きましたけど、スカラ座の公演以降は、オペラを見に行くなら絶対スカラ座!と短絡的に決めてしまいました。それほどやはり良かったのです。
 ムーティによる指揮。ムーティの演奏だけによるCDは何枚か聴いていたのですが、それだけではいまひとつピンとくるものがありませんでした。しかし、あぁオペラはムーティもいいなぁとつくづく思えたのも事実でした。
 
 3つの引越し公演の中で、ミラノ・スカラ座の違いが際立ってわかる部分が<合唱団>のメンバー数です。
 しかも、演目が合唱曲のすばらしいヴェルディとなると、その選択はもう自ずと決まってくる、のかもしれません。

 いかにもイタリア・オペラを聴いた、という満足感が得られるように思います。
 しかも、合唱曲が登場するところの「量感」は、なんといってもこのスカラ座が、他を圧倒的に凌いでしまうのです。

 <ナブッコ>の中(第三幕、第二場)には、「飛べ、我が思いよ、金色の翼に乗って」という曲がありますが、これはイタリアの第二の国歌とも言われているほどです。
 アリアを歌う歌手が誰か、ということからの選択もあるのでしょうが、そういう合唱曲を聴くのなら、まずやはり「スカラ座!」というような感じをもったりするわけですね。

 同時に、それだけ親しまれているようなオペラの合唱曲をもっている人々、そのような国が存在するということ、ある意味でそのオペラの曲を、みんなで歌える(!)というのは、考えてみると、なかなか幸せなようにも思います。
 これは、世界広しといえど、イタリアだけかなぁ....などと思うと、イタリアというのはやはり“カンターレ!”、まさに歌の国だということもひしひしと伝わってくるようです。

(参考)原題:Va, pensiero sull'ali dorate、邦題は“行け、我が思いよ~”とされているものも多いようです。

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